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KINOさんのときどき着物日記

ダウン・バイ・ロー (Down by Law)

ジム・ジャームッシュ監督作品「ダウン・バイ・ロー」。
この映画は私が今まで見た映画の中でも、とても好きな作品の一つです。
1986年のアメリカ映画。モノクロです。
この映画、いつでも何度でも見たくなります。

冒頭、車をゆっくり走らせる様にニューオリンズの町並みをカメラが撮っていくシーンからはじまります。
モノクロームならではのコントラストの美しい映像。
広い空に浮かぶ雲と対照的に地面に張り付く様な古びた町並み。
家々は荒れ果てていますがどこか人間の暖かみを感じます。
もうこの映像だけで映画全体の雰囲気や中身まで感じられる様です。
撮影はロビー・ミュラー

お話は無実の罪で服役中のザックトム・ウェイツ)とジャックジョン・ルーリー)。そこにイタリア人のロベルトロベルト・ベニーニ)が加わり、3人は首尾よく脱獄に成功し そこから逃避行が始まります。
その悲惨でありながらどこか可笑しい逃避行を描いたロードムービーです。

ザックとジャックはどちらかというと犬猿の仲でギクシャクしていますが、そこに陽気で人のいいロベルトが加わる事で3人の中に不思議な調和が生まれます。
ジャームッシュ監督は、取り立ててなにか大変なことが起るわけではない普通の人達の日常を 淡々と描く事で 人間の悲しさや可笑しみを描き出すことを得意としています。
もちろん脱獄犯の逃避行は普通の人間の日常ではありませんが、ハラハラドキドキ・・というよりむしろ3人のやり取りの可笑しさや微笑ましさがこの映画の中心になっています。

私はハラハラドキドキのサスペンスも大好きですが、ジャームッシュの映画のこの淡々とした感じもとても好きです。むしろ若い頃はこんな映画が一番好きだった様な気がします。

主役の二人、トム・ウェイツジョン・ルーリーはともに有名なミュージシャンです。本職ではないけれどこの二人の演技はとても面白い。
ちょっとした目つきや表情が上手で、特に後半ロベルトが恋人のニコレッタとダンスを踊る場面で、その愛溢れる二人のダンスを見つめるザックとジャックの表情は二人の気持ちをすごく表していて大好きなシーンです。

もう一つ心に残るのはザックとジャックがニコレッタからもらった叔父さんの形見の服を着て旅立つエンディングです。ほんの少し心を通わせた二人が別れ際に上着を交換するこのシーンは凄く印象的で、目をつぶればすぐにでも思い出せるぐらいです。

それにしても、あり合わせの服という設定ながらこの時の二人のファッションはなかなかお洒落ですね。帽子とジャケット、そしてチェックonチェックの重ね着に丈の短い細身のパンツ。
今のお洒落男子もビックリのイカすファッションです。

この映画のDVDはツタヤでも借りる事ができます。
でも「この映画のどこが面白いのかさっぱり解らない」という人もけっこういるので
映画の好みほど人それぞれで、他人にわからないものはないな~といつもながら感じます(>_<)





by kinosan_kimono | 2012-11-23 09:32 | 映画・DVD

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